その他の病気
痔と間違えやすい病気は?
おしりの症状に、自己判断は禁物。
おしりから出血があって、痔だと思って受診したら、がん、という例も実際にあるのです。
不安を取り除くためにも、一度は専門医を受診して下さい。
直腸がん
専門医であれば、おしりに指を入れる(直腸指診)だけですぐに人工肛門になるような病気(下部直腸がん)があるかどうかがわかります。
がんは早期発見・早期治療が鉄則。少量の出血でも、必ず受診して検査を受け、がんでないことを確かめましょう。
大腸がん
大腸がんの最も多い症状は出血です。もともと痔からの出血がある方は、大腸がんからの出血も痔からだと思い込んでしまい、大腸がんの発見が遅れることがあります。
出血があれば、定期的に大腸がん検査を受けることをお勧めします。
大腸ポリープ
大腸の粘膜にできる良性のできものです。大きくなると、がん化する可能性があるため、大腸がんの予防のためにも良性のうちに切除することが大切です。
まれに大腸ポリープが肛門から脱出することがあります。
肛門がん
おしりの歯状線より下、肛門部分にできるがん。
あまり多い病気ではありませんが、症状は出血や痛みと痔に似ているため、痔と間違えやすい病気のひとつです。
直腸脱
おしりからの脱出するものの中には直腸脱があります。直腸粘膜のみが脱出するものを不完全直腸脱、筋層を伴って脱出するものを完全直腸脱といいます。
スキンタッグ
肛門周囲の皮膚がたるんでいるものをスキンタッグ(肛門皮膚垂)といいます。
痔ではないかと悩んでしまう人もいますが、特に心配のないもので気にならなければ放置してかまいません。
肛門周囲湿疹
シャワートイレの使い過ぎや、排便後に紙で拭く際にこすりすぎる、お風呂でおしりをゴシゴシ洗うなどは肛門周囲の皮膚がただれてかゆくなる原因になります。これら、原因となることをしないようにすることと、塗り薬を使用して治療します。
帯状疱疹
意外かもしれませんが、おしりにも帯状疱疹ができるのです。
水痘ウイルスによって、痛みを伴う水疱ができます。
尖圭コンジローム
性行為感染症のひとつとされています。肛門の周囲に小さなボツボツがたくさんできて、カリフラワー状になることもあります。ウィルスによる病気なので、きちんと治療することが大切です。
潰瘍性大腸炎
粘血便を特徴とする原因不明の病気です。直腸から連続性に炎症が広がっていきます。
炎症をおさえるためにサラゾピリン、ぺンタサなどを内服します。