当院の新型コロナウイルス抗体検査
当院で使用する新型コロナウイルス抗体検査キットは、藤田医科大学で試験導入されている抗体検査キットと同様のものです。感度、特異度ともに95%以上です。
在庫に限りがあるので予約制とさせていただきます。お電話にてご予約ください。
抗体検査はこんなかたにお勧めです。
- 発熱や、風邪症状、味覚異常などがあったのでコロナ感染による症状だったか調べたい方
- 症状はなかったが無症状での感染もあるため心配な方
発熱や症状がある方は検査ができませんのでご了承ください。(PCR検査、抗原検査ではありません)
感染してから抗体検査が陽性となるまで、約2週間かかると言われています。
疑わしい症状があった場合は、2週間経過してからの検査をお勧めします(偽陰性が多くなってしまいます)。
検査の流れ
- 受診していただき検温、問診票に記入していただきます
- 検査室で指先から数滴血液を採取し検査します
- 15分ほどお待ちいただき、医師が結果説明をします
- 受付時にお会計をして終了です
費用は9,000円(税込)(保険適用外)です。
※法人や企業でのまとめての検査も受け付けております。出張の検査などもご相談下さい。
※一定数検査ができましたらは個人情報保護法を順守し陽性率などホームページにて報告させていただきます。
新型コロナウイルス感染症抗体検査について
抗体検査とは
抗体検査とは、血液中にウイルスなどに反応する抗体(IgM,IgGなど)があるかどうかを調べる検査です。
ウイルスの存在そのものを検査するのではなく、ウイルスに反応した抗体を調べます。
つまり、いま(現在)感染しているかどうかを調べるのかではなく、今まで(過去)にウイルスに感染したことがあるかを調べる検査です。
抗体(IgM、IgG)とは
一般的には、IgM抗体は感染から数日から1週間程度で検出され、IgG抗体はおよそ2週間後に検出されるようになります。IgM抗体はしばらくしたら消失しますが、IgG抗体は半年~年単位で持続します
病原体により抗体の持続期間はさまざまです。コロナウイルスに関しては研究成果を蓄積している段階で、正確な日数ははっきりしていません。
国立感染研究所の研究結果では、IgG抗体の陽性率は時間とともにに上昇していき、発症13日以降でほとんどの方で陽性となると報告されています。IgM抗体の検出率は高くはありません。
抗体検査の検査精度を高めるためには、発熱や症状などがあり改善してすぐに検査しても偽陰性(ほんとは感染していても検査では感染していないとなる)になる可能性もあり、2週間程度経過してからの検査がお勧めです。
発症後日数ごとの抗SARS-CoV-2 IgM, IgG抗体陽性率
発症後日数a | IgM抗体 | IgG抗体 | IgM抗体 もしくは IgG抗体b | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
検体数 | 陽性数 | 陽性率(%) | 検体数 | 陽性数 | 陽性率 (%) | 検体数 | 陽性数 | 陽性率 (%) | |
Day 1 - 6 | 14 | 0 | 0.0 | 14 | 1c | 7.1 | 14 | 1 c | 7.1 |
Day 7 - 8 | 20 | 2 | 10.0 | 20 | 5 | 25.0 | 20 | 5 | 25.0 |
Day 9 – 12 | 21 | 1 | 4.8 | 21 | 11 | 52.4 | 21 | 11 | 52.4 |
Day 13 - | 32 | 19 | 59.4 | 32 | 31 | 96.9 | 32 | 31 | 96.9 |
- 発症日をDay 1とする。
- 今回の検討ではIgM抗体陽性検体は全例IgG抗体も陽性であった。
- Day 1でIgG抗体陽性となる検体が1検体あり、結果の解釈には注意が必要である。
現在の検査状況
現在抗体検査は、調査研究用のキットでのみ検査可能となっています。
新型コロナウイルスでは無症状の感染者が数多くいると言われています。抗体検査では無症状でコロナウイルスに感染した方を調べることにより、地域で実際にどれだけの患者さんがいたかの目安になります。
検査キットなどにより精度のばらつきがあるため、正確な知見は得られていませんが、0.4%~6%程度いるのではと考えられています。
また今後は東京都、大阪府などで大規模な抗体検査を行っていく予定となっています。
- 日本の研究班による報告では東京500例6例(0.6%)、東北6県500例2例(0.4%) (てれび朝日)
- 神戸市立医療センター中央市民病院の報告では1000例33例で陽性3.3%(NHK)
- 大阪市立大学の報告では、312例中3例(0.9%) (NHK)
- 慶応大学病院の報告では67例中4例で陽性(5.9%)(NHK)
愛知県の場合は人口約755万人なので3万人~44.5万人、安城市の場合は人口約19万人なので760人~1.1万人と推測されます。
検査の意義
抗体検査でIgG抗体が陽性の方は、以前に新型コロナウイルスに感染した事を意味します。
抗体がある場合はその疾患にかかりにくい、もしくは、かかっても症状が軽く済むということが期待されます。(現時点では新型コロナウイルスに関しての正確なデータはありません。)
抗体がある場合でも、その後の感染が確実に防げるというわけではありませんので手洗い、うがいなどこれまでと同様にお気をつけください。
ちなみに、集団免疫という言葉を耳にしたことがあると思います。
集団免疫とは、人口のだいたい60%くらいの方がウイルスに感染すると、ウイルスにかかる人が減り、終息していくと言われています。
この考えの元には、一度感染した人(IgG抗体を持っている人)は免疫を獲得し、再度感染することがないという前提があります。
新型コロナウイルス感染症でも当てはまるといいですね。